マウスピース矯正について
透明なマウスピース型の装置(アライナー)を装着して、歯並びを整えていく矯正治療です。治療では、形状が少しずつ異なる数十枚のマウスピースを段階的に装着し、理想的な歯並びへと導きます。たとえば歯を右に動かしたい場合、マウスピースの右側に余裕を持たせ、左側をタイトに設計することで、自然に右方向へ歯を移動させていきます。
また、歯に力を効率よく伝えるために「アタッチメント」と呼ばれる小さな白い突起(レジン製)を歯の表面に装着することもあります。従来のワイヤー矯正は目立ちやすく、見た目が気になって矯正を諦めてしまう方も少なくありませんでした。
また、装置が固定式で歯みがきがしづらく、むし歯のリスクが高まることもデメリットでした。
一方、マウスピース矯正は透明で目立ちにくく、アタッチメントも歯に近い色で自然な見た目です。さらに取り外しができるため、普段通りに歯みがきができ、衛生面でも安心です。こうした多くのメリットから、マウスピース矯正は現在非常に人気のある治療法となっています。
マウスピース矯正の特徴
目立ちにくい透明な装置
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製の装置(アライナー)を使用するため、装着していてもほとんど目立ちません。従来のワイヤー矯正のように金属が見えることがなく、会話や笑顔の際も自然な印象を保てるのが大きな魅力です。特に人前に出る機会が多い方や接客業、学生の方などにとって、見た目を気にせずに治療ができるのは大きなメリットです。歯に付けるアタッチメントも白く目立ちにくいため、治療中であることを周囲に気づかれにくいのが特徴です。審美性と快適さを両立した治療法として、多くの患者さんに選ばれています。
取り外し可能で衛生的
マウスピース矯正は、装置を自分で取り外すことができるため、食事や歯磨きの際に非常に便利です。従来の固定式矯正装置では、食べ物が詰まりやすく歯磨きが難しいため、むし歯や歯周病のリスクが高まることが課題でした。しかし、マウスピース矯正であれば、食事の際はマウスピースを外し、普段通りのケアが可能です。また、装置自体も専用の洗浄剤などで清潔に保てるため、常に清潔な状態で使用できます。毎日のセルフケアがしやすく、口腔内の健康を守りながら矯正治療が進められるのは、大きな特徴のひとつです。
痛みや違和感が少ない
マウスピース矯正は、ワイヤーやブラケットを使わず、薄く滑らかな素材でできたマウスピースを使用するため、装着時の違和感や痛みが比較的少ないと言われています。矯正の力はマウスピースを交換するたびに少しずつ加えられるため、急激に歯が動くことがなく、負担が軽減されます。特に、従来の矯正治療で感じやすかった装置が口の中に当たって傷になるといったトラブルが少ないのもメリットです。また、話しにくさや発音への影響も最小限で済むため、日常生活を大きく妨げることなく治療を続けられます。快適さを重視する方にとっては、非常に魅力的な治療方法です。
治療の見通しが立てやすい
マウスピース矯正では、専用の3Dシミュレーションソフトを使って治療の開始前にゴールまでの歯の動きを可視化できます。これにより、患者さん自身が治療後のイメージを具体的に把握でき、モチベーションにもつながります。また、段階的に装着するマウスピースの枚数や交換ペースがあらかじめ計画されているため、治療期間や通院頻度も明確になりやすい点が特徴です。従来の矯正に比べて治療中の予測が立てやすく、安心して進められます。ライフスタイルに合わせたスケジュール管理がしやすいため、忙しい方や予定が立て込みやすい方にも適した矯正法といえます。
幅広い症例に対応できる
かつては「マウスピース矯正は軽度な歯並びの乱れにしか使えない」と言われていましたが、現在では技術の進歩により、中等度から重度の不正咬合にも対応できるケースが増えてきました。特にアタッチメントやゴム(顎間ゴム)を併用することで、複雑な歯の動きにも対応できるようになっています。また、部分的な矯正から全体矯正まで幅広いニーズに応えることが可能で、年齢層も若年層から大人まで対応できます。精密な診断と計画に基づいて行えば、さまざまな症状に対して効果的な治療が期待できるのが、マウスピース矯正の大きな強みです。
マウスピース矯正で治せる歯並びについて
マウスピース矯正は、見た目が自然で取り外しができることから、近年とても人気のある矯正方法です。対応できる症例の幅も広がっており、軽度から中等度までの歯並びの乱れはもちろん、工夫次第で複雑なケースにも対応可能となっています。以下は、マウスピース矯正で改善が期待できる代表的な歯並びの例です。
出っ歯(上顎前突)
上の前歯が前方に突き出している状態です。見た目の印象に影響を与えるほか、口が閉じにくい、発音がしづらいなどの問題も生じます。マウスピース矯正で前歯を内側にゆっくりと移動させることで、自然でバランスの取れた口元を目指します。
すきっ歯(空隙歯列)
前歯の間にすき間がある状態で、食べ物が挟まりやすくなったり、発音に影響が出たりすることもあります。マウスピースで徐々にすき間を閉じ、しっかり噛み合う歯並びに整えていきます。
でこぼこ(叢生)
歯が重なり合ってガタガタになっている状態で、日本人に多い歯並びの乱れの一つです。マウスピース矯正では、歯を少しずつ並べ直し、自然で美しいアーチ型に整えることが可能です。
受け口(反対咬合)
下の前歯が上の前歯より前に出ている状態で、見た目だけでなく噛み合わせにも影響を与えます。症例によってはマウスピース矯正で改善できる場合もありますが、骨格的な問題が大きい場合は他の治療法と組み合わせることもあります。
開咬(前歯が閉じない)
奥歯は噛んでいても前歯が閉じず、上下の前歯にすき間ができる状態です。前歯で食べ物を噛み切りにくく、発音が不明瞭になることもあります。マウスピース矯正で前歯の噛み合わせを調整することが可能です。
マウスピース矯正の治療の流れ
1カウンセリング・無料相談
患者さまの歯並びのお悩みや治療に関する疑問をお伺いし、マウスピース矯正の治療内容やメリット・デメリット、費用などの説明をさせていただきます。
2精密検査
治療を希望される場合は、精密検査に進み、矯正装置(アライナー)を作るために歯の型採りをします。
3治療計画のご説明
精密検査の結果をもとに治療計画を立て、その内容と治療期間、費用についてご説明をします。
4矯正治療スタート
作製された矯正装置(アライナー)を装着します。 アライナーの着脱方法、お手入れ方法、注意事項などを説明させていただきます。
5経過チェック
月一回のペースでご来院いただきお口の状態、マウスピースの着用状態に問題がないか確認させていただきます。
6治療終了
規定のマウスピースを使い終えたら治療終了です。後戻りを防ぐため保定用マウスピースを作成し装着します。
よくある質問
マウスピース矯正は痛みがありますか?
マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正に比べて痛みが少ないとされています。マウスピースを交換する際に歯が動くことで一時的に軽い圧迫感や違和感を感じることはありますが、通常は数日で慣れる方が多いです。また、ワイヤーや金属がないため、口内炎などのトラブルも起こりにくいのが特徴です。
1日どのくらい装着すればいいですか?
基本的には、1日20〜22時間以上の装着が推奨されます。食事や歯磨きのとき以外は、できる限り装着する必要があります。装着時間が不足すると、予定通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまう可能性があるため、継続的な装着が重要です。
食事のときはどうすればいいですか?
食事の際はマウスピースを取り外してください。飲食物による変形や着色を防ぐため、必ず外してから飲食しましょう。水であれば装着したまま飲んでも問題ありませんが、お茶やジュースなどは糖分や色素による影響があるため避けましょう。食後は歯磨きをしてから再装着するのが理想です。
治療期間はどのくらいかかりますか?
症例によって異なりますが、軽度な歯並びの改善であれば半年〜1年程度、全体の矯正であれば1年半〜2年程度が一般的です。治療期間は、歯の状態や目指す歯並び、患者さんの装着状況などにより変動します。初診時のシミュレーションである程度の目安がわかります。
誰でもマウスピース矯正はできますか?
多くの方が適応となりますが、重度の不正咬合や顎の骨格に問題がある場合など、一部の症例では他の矯正方法が適していることもあります。まずは専門医による診断を受けて、マウスピース矯正が可能かどうかを確認しましょう。最近では技術の進化により、対応できる症例の幅が広がっています。